人気(ひとけ)のない遊園地にて

八月の照りつける太陽の下で
遊園地の回転木馬が、
たったひとりの乗客を乗せて回っている。
軽やかで
夢のように楽しい音楽に合わせて
回っている。
たったひとりの乗客である私の二男は、
それでもとってもうれしそうに
私に向かって手を振っている
かしきりだね。
メリーゴーランドひとりじめだね。
よかったね。
(でもなんだか物悲しいね。)
そんなふうに思うのは
私だけだろうけど。
遠くでせみが鳴いていた。



そのあと
ジェットコースターに乗った。
私は中学生のころ、あまりの恐怖に気を失いかけて以来
ジェットコースターだけには
二度と乗りたくないと思っていた。
でも乗らないわけには行かなくなった。
二男ひとりで乗せるわけには行かなかった。
そうなのだ。
そのジェットコースターの乗客は、
私と二男のふたりきり。
それにしても
なんてさびれた遊園地だろう。
物悲しくてしょうがなかった。

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